インボイス制度が始まりましたねいろんな意味で話題になったインボイス制度ですが、いよいよ令和5年10月1日からスタートしましたね。まだ実感がないという方も多いと思いますし、複雑すぎていまだによくわからないという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。紛れもなく私もその一因ではあるのですが、立場上「よく分からない...」では済まない内容ですので、頭の整理をする意味合いも含めてこのブログを書き始めました。そのため、TIPSのカテゴリーではあるものの、私も専門家ではなく勉強中の身であるため、あくまでも概要を知るためのきっかけとして捉えていただき、税務署の方や税理士の方などにきちんとした説明を受け、正しい理解をしていただくことをお勧めいたします。(無責任な内容で申し訳ありません🙏)インボイス制度を理解するためには、まずは消費税制度のおさらいをしてみようまず、世の中の商品というのは多くの場合、事業者が、仕入元から商品を仕入れ、それに利益をつけて消費者へ販売をしています。図にするとこんな感じでしょうか。ここで重要なのが、事業者が国に納税している際に、自身の売上の消費税(売上税)から、仕入れた際に支払った消費税(仕入税)を差し引いた金額を納税しているのですが、この制度のことを『仕入税額控除』というようです。このように、消費者としてはシンプルに見える消費税でも、事業者からみると複雑な形で計算されていることがわかりました。インボイスとは正しい情報が記載された請求書のことさて、ここで改めて『インボイス』という言葉が何を指すものなのかを整理して行きたいと思います。インボイスとは、通常の請求書に加えて以下の3つの内容が記載されているもの(適格請求書)のことを指すようです。登録番号(適格請求書発行事業者に発行される番号)適用税率(10%なのか8%なのか、各商品ごとに記載)消費税額この3つのうちで、これまでと決定的に違うのは『登録番号』です。クラウド会計ソフトのfreeeのサイトではこのように説明されていました。以下引用です。インボイス制度登録における登録番号とは、適格請求書発行事業者になるための登録申請を行い、その申請を認められた事業者に発行される番号のことです。インボイス制度の登録番号は「T + 13桁の番号」で構成されており、番号は法人の場合は法人番号、個人事業主には法人番号と重複しない数字が登録者ごとに割り振られます。引用:freee(https://www.freee.co.jp/kb/kb-invoice/invoiceregistrationnumber/)つまり、適切な方法で適格請求書発行事業者にならないと登録番号が取得できず、インボイスを発行することができないということになります。登録方法はやや複雑になりますので、ネットで調べるなどして登録しましょう。今回は先ほどと同じくfreeeのサイトのURLを貼っておきますので参考にしてみて下さい。> 請求書の基礎知識 | クラウド会計ソフトfreeeこれまで免税事業者だった事業者にも消費税を納める義務が生まれる可能性がある課税事業者と免税事業者消費税はインボイス制度が導入されるまでは、実は全員が収めなくてもいい制度でした。事業者を『課税事業者』と、2年前時点の確定申告で売上が1,000万円以下の『免税事業者』とに分け、免税事業者と判断された場合は消費税を申告する必要がないという制度だったのです。とはいえ、全ての商品には消費税が含まれており、我々は商品を買うときやサービスを受ける際は必ず消費税を払っていますよね。つまり、お客様から消費税はいただくが、国には申告しなくて良いということが起きていたわけです。しかし、インボイス制度が始まった今、免税事業者が適格請求書発行事業者として登録をすると、消費税の申告義務が発生して、納税を行わなければならなくなるということのようです。全員が適格請求書発行事業者に登録する必要はない?さて、ここでさらに複雑になるのですが、どうやら事業者全員が適格請求書発行事業者に登録する必要があるわけではないようなのです。私も頭がおかしくなりそうなのですが、自分の事業状況に応じて登録する必要性を検討することが重要みたいなんです。頑張ってこの辺りを整理してみたいと思います。適格請求書発行事業者登録はどのような場合に必要?まず、事業者を大きく2つのグループに分けて考える必要がありそうです。それは以下の2通りの事業者です。顧客が主に消費者である『to C』向けの事業者顧客が主に企業などの『to B』向けの事業者これはどんな分け方かというと、「商品を販売する際にインボイスを発行する必要の有無」が線引きになっているんです。スーパーで買い物をする際に適格請求書を発行しないと買えないということはないですが、企業相手に取引をする場合には適格請求書を発行する必要があるわけです。ここに適格請求書発行事業者に登録する必要性の分かれ道があるみたいなんですね。そうなると、適格請求書の発行をする必要があるかどうかを売上先と相談したり検討する必要が出てくるわけです。そこで、インボイス制度へ無理なく移行できるように猶予期間が設けられています。この移行期間のことを『経過措置』と呼ぶそうです。経過措置まずはざっくりと、経過措置に関するタイムラインを確認してみましょう。控除額が段階的に少なくなってはいくものの、かなり長いスパンで経過措置が取られているのですね。これなら無理なく移行できそうな気がしてきました。ただ重要な点として、これらの経過措置、つまり移行期間内での控除は免税事業者からの『課税仕入れ』のみが対象となります。そのため、次はこの課税仕入れについて理解する必要がありそうです。課税仕入とは国税庁の課税仕入れについての記載を見てみると、以下のように書いてありました。課税仕入れとは、商品などの棚卸資産の仕入れ、機械や建物等の事業用資産の購入または賃借、原材料や事務用品の購入、運送等のサービスの購入、そのほか事業者が事業として他の者から資産を譲り受けることなどをいいます。これは、仕入先が免税事業者や消費者の場合でも課税仕入れに当たります。ただし、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れは、原則として、仕入税額控除の対象とはなりません。また、土地の購入や賃借などの非課税取引、課税対象とならない給与、賃金などは課税仕入れに含まれません。引用:国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6355.htm)また、会計ソフトを販売している弥生株式会社のサイトでは次のように書かれています。外注費は課税仕入れの一種になるので、発注元の企業や個人事業主は、自身が納める消費税額を計算する際、一定の要件を満たせば、外注先への支払いにかかった消費税を差し引く「仕入税額控除」の適用を受けることができます。引用:弥生株式会社(https://www.yayoi-kk.co.jp/invoice/oyakudachi/gaichuhi/)つまり、みなし仕入率で計算できる内容については基本的に課税仕入れとして判断され、さらに外注費(請負で給与と見なされない内容)についても同様ということでしょうか。免税業者への特別な経過措置免税業者の方への特別措置も用意されているみたいです。なんと、2年前時点での確定申告で売上が1,000万円未満の免税業者対象の方には、R5〜R8までの3年間にわたって、売上税額の2割の申告で良いということです。2割はすごいですね。とはいえこれまで申告なしだった方からすると大きな負担にもなるので、安易には喜べませんが、それでも大きな特別措置であるように感じます。インボイス制度関係の補助金は?インボイス制度についての補助金も国税庁のサイトにまとめられていました。> インボイス制度に関する情報ガイド | 国税庁サイトの情報によると、大きく分けて以下の2つの補助金があるみたいですね。IT導入補助金小規模事業者持続化補助金ざっくり言えば、インボイス制度の対応に様々なデジタル機器やサービス、ソフト等を使用する必要が出てくる可能性が高いため、それらを導入するのをサポートするよ。また税理士に相談するための費用などは小規模事業者持続化補助金でも賄えますよと。ということみたいですね。適格請求書発行事業者になるための申請方法申請は基本的に『e-Tax』での申請を推奨しているみたいですね。これはマイナンバーカードのような電子証明書があれば誰でも可能で、無料で環境が手に入る『WEB版』が便利そうです。どの環境が自分にとって一番いいのかなどの比較内容もPDFで紹介されていたので、こちらでご確認ください。> インボイスの申請手続き | 国税庁面倒臭いようで案外できそうとにかく複雑で概要理解が難しかったインボイス制度ですが、こう学んでみるとなんとか理解できそうですね。今回、僕が参考にしたのは国税庁のサイトと、国税庁が公開しているYouTubeの動画です。サイトは詳しく載っていますが、情報量が凄まじかったので、動画の方が圧倒的に優しく情報がまとまっていると思います。事業を行うには避けては通れない重要な内容ですので、ぜひ併せて確認してみてください。%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FSxXgWLZMRaQ%3Fsi%3DQIqBYvQM1_nQzO93%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E